ろばーと気まま雑記

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映画『鬼滅の刃 無限列車編』感想 【ネタバレあり】

久しぶりの更新...って記事を書くたびに冒頭で言ってる気がしますが...
ブログ更新できていない間にもそれなりに色々な作品とかに触れはしたけど感想を書き留めるまでの時間を作れず惜しい事をしてしまっている...


映画だけでも『ドクター・ドリトル』『ぐらんぶる』『映像研には手を出すな!』『TENET』『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『Fate/stay night Heaven's Feel Ⅲ.spring song』『2分の1の魔法』ぐらいは鑑賞してたんですよね〜〜
手帳に座席券とムビチケ貼るくらいしかできてなくて、やっぱりその時その時自分が感じ取ったものとかはどこかに固定したいなぁと思いつつ。
でも映画鑑賞後ってどうしても疲れてるので帰宅即寝落ちたり、メモには残してるからまた後で書こうと思うと結局書かないっていう...


そんなことはさておき!
観てきました無限列車編!
なんなら通常版(2020/10/25)とIMAX(2020/11/6)で2回観てきました!


鬼滅の刃』自体もアニメはリアタイ試聴せずにコロナ自粛辺りで見た作品の1つでしたが、劇場版が公開されるくらいにタイミングを合わせて原作コミックスを全巻Kindleで買い、半ば自覚的にハマりにいった節があります。笑
それでも全然好きになった作品なので、ただ世間で騒がれてるだけでなくポテンシャルすごいなぁと感じつつ。
なんならアニメとか一切見てなかった親がネトフリかアマプラのレコメンドにでも出てきたのかいつの間にやらハマっていて、少年誌とか読まないしアニメも見ないはずの妹もいつの間にやらハマっていました。
自分は実家を離れて一人暮らししているので一切の影響は与えていないはずなのですが...流入口どこなんだろう🤔


早速話が脱線しまくっていますが最早深夜アニメの枠を超えて国民アニメになってきているような勢いの鬼滅映画感想です!
※以下、アニメ・映画だけでなく原作まで範囲としてネタバレを含んでいます。

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原作漫画の劇場版としての完成度の高さ

本当に原作漫画をパワーアップさせて映画に落とし込まれているなって気持ちで、不満点は一切無いと言えるほど。

映像美

映像に関してはこれはもう制作がufotableの時点で間違いない事は確約されていましたが。
それでも期待以上のものを見せつけてくださる辺り、さすが日本のトップレベルにあるアニメーション制作会社だなぁと思います。


神回と名高いアニメ19話「ヒノカミ」でのヒノカミ神楽・円舞で累の首を斬るシーン(とそのまま突入する特殊ED)だったり、26話「新たなる任務」で描かれた無限城の圧倒的スケール感。 上映中はあれが終始続くという圧巻の映像美。


アニメーション表現でいうと京アニもよく語られますが、個人的に京アニは『氷菓』『響け!ユーフォニアム』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』といった"儚さ"のある映像を得意とするのに対して、ufotableは『Fate』シリーズで見せてきているように"動と静の緩急"を得意としていて、やはりバトルシーンは映えるよなぁと思いました。
その中でも原作絵のタッチに寄せていたり、ギャグパートはしっかり緩い絵にしていたりと芸が細かい。すごい。


個人的に映像として1番記憶に焼きついたシーンは意外かもしれませんが猗窩座が破壊殺・羅針を展開する3秒間くらいの描写ですね。
もちろん炎の呼吸とか漏れなく全部かっこいいんですけど、羅針展開のシーンは鑑賞一度目は素直に「かっっっこよ...」で口から漏れてましたし、鑑賞二度目はもはやお目当てはこのシーン、IMAXで羅針展開を拝みたいといったテンションで映画館に向かいました笑


猗窩座が構えた後に地面に羅針の紋様がグルリと回るカメラワークで展開された(しかも引きの絵でしっかり雪の形してるのが分かるんですよね...原作勢はこれで泣ける...)後に紋様の端からユラユラ闘気的なサムシングが立ち昇りつつ猗窩座に近づいていって...「鬼にならないなら殺す」
くぅうう〜〜〜。
何が良いって猗窩座のカラーが「青」でその色合いがマジでかっこいい。
相対する煉獄さんのカラーは「赤」という点でも『Fate/stay night』でのアーチャーvsランサーを思わせます。憎い。


こんだけカッコイイくせに太陽昇ってきたらそれまでの戦闘もその中で見えた信念もかなぐり捨てて自分の事情で逃走一択ですからね猗窩座。鬼なんだよなぁ〜〜。


あと映像的に見せつけられたのは、やはり列車内での戦闘シーンでしょうか。
カットでのカメラアングルの変え方がすごかったですね。 引きの絵では縦向きに列車の奥行き方向を見せて臨場感を、寄りの絵では横向きからキャラクターをしっかり画面中心に置いて動きを捉えて魅せる。
煉獄さんが最初に出す不知火だったり、善逸の霹靂一閃で特に顕著でしたね。


そういえばufotableって生物系のヌルテカした表現も結構好んでると思いますが、列車と融合した後の魘夢の体、聖杯の泥にしか見えなかった← そして余談だけど魘夢の顎が噛み合う音リアルすぎてキモい(褒め言葉)

劇伴音楽

音楽もアニメに引き続き梶浦由記さんと椎名豪さんということでこれも確約ですよ。
それでも期待以上のものを見せつけてくださる辺り、さすが以下略。


例に漏れず(?)鑑賞しながら要所要所で泣いてたんですが、原作を読んでいる身からするとストーリーはどうしても知ってるし、映像美も涙を誘ってくるけど、やっぱりダメ押しは映画館だからこその音響だなぁと強く感じました。
特にIMAXだと戦闘シーンのBGMとか後ろで鳴ってる音がシアター全体をぐるぐるしてるのがめちゃめちゃ分かって、音から臨場感が発生してましたからね。没入感!
映画館で映画を見たいモチベーションってやっぱこういうところにあるよなぁと。


2回鑑賞してようやく意識できた点ではありますが無音すら含めて場面場面で適切な音が展開されてたなと。
煉獄さんの夢のシーンでは主題歌「炎」のピアノアレンジ、炭治郎の夢のシーンでは「竈門炭治郎の歌」が流れていたり、それまでは結構静かめなテンポ中心だったのが猗窩座の登場以降はギターサウンド系のロックチューンで戦闘の高揚感が表現されていたり。
音楽がすごい良かったなぁと思います。2回目は特にそれを感じました。


梶浦さんってそれこそ『Fate/Zero』でもufotableと組んでいたり、他にも『ソードアート・オンライン』の劇伴も手がけられていたりと、悲劇性を含んだ表現が本当に上手な方だなと思うんですよね。

longing

longing

  • ユナ(神田沙也加)
  • アニメ
  • ¥255

主題歌

LiSAッ子そしてSAOファンとしては今回の鬼滅ブームでLiSAが"鬼滅の人"になってしまった気がして若干複雑な気持ちです。
アリシゼーション編の最終クールOPはLiSAに歌ってほしかった... だがしかし無限列車編と共に「炎」でのLiSA自身の成績も本当にすごくてそれは嬉しい限り。 LiSAが誰からも"アニソンの人"と言われない未来もそう遠くないはず。


「炎」についてですがこれは本当に歌詞全編がかまぼこ隊と煉獄さんの歌だと思う。

炎

  • LiSA
  • アニメ
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原作にない追加描写

追加描写というか、善逸と伊之助の夢の部分をはじめ原作コミックで幕間にちょっと載ってるイラストとかを内容に持ってきてる部分も多かったですね。
分かりやすく映画オリジナルで追加されていたシーンは2つあったのかな。
まず冒頭で夢に落ちてしまった後の列車内での鬼を斬っていくのに2体目がいたシーン。これは戦闘描写を増やすためにあったのだと思いますが。


そして何より、最期煉獄さんが朝陽が登る中逝った後、その訃報を報せるために鎹鴉が目に涙を溜めながら飛び去るシーンです。
ここ本当に反則。お前が泣いてるのは反則なんだ鴉くん。 分かる。知ってるよ。母上に「立派にできましたよ」と受け取った杏寿郎が子供のように安心した表情で逝くんだよ。それは原作にもあるんだ。
お前が泣きながら飛んでいくのはトドメすぎるんだよ。煉獄さんはもう戻ってこないって思いっきり分かるじゃないか。 ここは分かってるのに2回目の鑑賞ですら溢れましたね。

「無限列車編」というエピソード

無限列車編って『鬼滅の刃』全体でちょうど物語が核心に迫りながら加速していく前段になっているようなパートだと思うんですよね。
だからこそ、ここで3人の隊士に遺志を遺して散った煉獄さんがこれだけ共感を呼んでいるのかなぁと。


「信じる」「胸を張って生きろ」「心を燃やせ」「歯を食いしばって前を向け」と遺して去っていく煉獄さんに対して、「何か一つできるようになってもまたすぐ目の前に分厚い壁があるんだ」とやりきれない悔しさを滲ませながらまた立ち上げっていく炭治郎だったり、「信じると言われたならそれに応えること以外考えんじゃねぇ!」と自分をも鼓舞する伊之助がいて、ここで確実に"煉獄杏寿郎"が継承されているんですよね。


物語的に見ると本当に散るべくして散ったキャラクターだと思います。


そして個人的には杏寿郎(煉獄さんではなく敢えてこう呼びたい)って本当に理想の生き様すぎるなぁと感じる部分がすごくあって

  • 信念を持って生きている
  • それを言葉にできる強さ
  • 常に余裕を絶やさない
  • 不安を見せない振舞い
  • 的確で迅速な判断
  • 目立たなくともやるべきことを確実にやっている
  • 後輩に3歩先を見せれる言動と背中
  • 譲れないものには全力を超えて張り合う
  • 原体験の強さ
  • これらに慢心や外連味が一切無い

もう全部が理想ですね。こんな男になりたい。

鬼滅の刃 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

まだまだ書き残したいセンテンスも多いですが、まとまり的にこれくらいで!
パンフレットと特集が組まれてるシアターカルチャーマガジンも買ってきたのでそちらのキャストインタビューとかも目を通してまた何か語りたくなったら書くかも。


この興行収入、人気具合で続編のアニメ化が無いとは考えられないのでアニメ2期の発表が楽しみですね!
その場合劇場版を見ていないと話についていけないというのをどう吸収するのかはわりと難題な気もしますが。
煉獄さんを見ずにこの後の炭治郎たちの成長を追っていくのは確実に不可能ですからね。
今後も鬼滅アニメが原作にどんな肉付けをして更に魅力的に描いていってくれるのかに期待です!

今週のお題「最近見た映画」